白髪 (White Hair)

This reading was recorded by Alessandro Mistrorigo for Phonodia at Villa del Grumello in Como, Italy, the 9th of May, 2015, during the “Europa in Versi” Poetry Festival organized by “La Casa della Poesia di Como“. Special thanks to Laura Garavaglia.

Read by Taeko Uemura on 9 May 2015

白髪 (White Hair)

白髪を抜いて差しあげましょうか
もうわたしがして差しあげられること
少なくなってしまいました

十本抜けばこと足りた昔日
すぐに眼光きびしい顔に戻りました
今、三十本抜いても
四十本抜いても
変わりばえしなくなってしまいました
面差やわらかく
少年の含羞をしのばせます

さみしさを訴えるには
あまりにも堅牢で誇り高く
不便さを訴えるには
あまりにも人を手段とせず
不実を訴えるには
あまりにもリベラルがわかりすぎる

白髪は
根元から生えてくるのでしょうか
それとも
発毛が終わりを告げるために
変わるのでしょうか
白髪を抜けば
少しでも終わりのいのちが
のがれられるのでしょうか

白髪を抜いて差しあげましょう
もう私にできることは
少なくなってきました
全部抜かねばならなくなったとしても
抜き続けましょう
いのちに終わりがあることを
忘れられる時間のために

from To a Vanishing Point (Kyoto: Japan Universal Poets Association, 2012 ).

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